スナフちゃんブログ

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【にほん転職昔話】テンショクくんとグレー求人と時々エージェント【第1話】

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【第1話 テンショク オファーをもらう】

 

昔々あるところにテンショクという男がおりました。


テンショクは1流とはいえませんがそこそこの大学を卒業し、新卒として入社したそこそこの中堅商社に勤めて3年目の新人営業マンでした。

 

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ある日の朝の通勤中のことでした。

スマホでおもしろ系のメディアを見ていると、一つのバナー広告が目に飛び込んできました。

 


「『とりあえず三年』の三年が経っちゃった」


それはとある転職サイトの広告でした 。

 

なんてことのないクリエイティブでしたが「とりあえず3年」というコピーが、テンショクの胸にグサリと突き刺さりました

 

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テンショクは就活をしていた時のことを思い出しました。
テンショクは大学在学時にこれといってやりたいことがなく、今の会社も就活を早く終えて遊びたいと考えていた中で、最初に内定をくれたから入社したのでした。

 

最初は社会人になれば、立派な大人になって目標も見つかり、充実した毎日を過ごせるだろうと考えていましたが、好きで入った会社ではないので仕事はマンネリ気味。
3年目にして早くも自分の目標を見失っていました。

 

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これは良いきっかけかもしれないと思ったテンショクは、バナーをクリックして転職サイトへと飛びました。
サイトには、転職を煽るようなコピーと、転職に役立ちそうな情報やアドバイスが色々と書いてありました。

 

どうやら最近の転職サイトというのは、求人情報が掲載されているだけでなく、自分の情報を登録をしておくだけで、自分に合いそうな会社を紹介してくれたり、自分に興味のある企業からオファーが届いたりするようです。

 

ひとまずテンショクは会員登録だけでもしておこうと、通勤時間中に可能な限り情報の登録を済ませました。
職務経歴や実績・自己アピール文などは帰ってからじっくりと書くことにしました。

 

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会社に着いて朝礼を済ませた後、いつものように業務を開始するテンショク。
いつもと変わらない、平坦な業務内容に辟易としながらも、それなりに目の前の仕事をこなしていくと、いつの間にか夕方になっていました。

 

定時も近づいて来て、残業もせずに済みそうだったため、帰る準備を始めていると、テンショクは部長に呼ばれました。
部屋の隅にある部長の席の前まで来ると、部長は顔を上げテンショクを睨みつけます。

 

 

「おいテンショク、お前が担当したこの案件だが、クライアントに納品したものが希望していたものと違ったそうで、あちらの担当者さんがカンカンだ

 

 

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部長がテンショクの作成した書類に目を通しながら言います。
それを聞いてテンショクは、自分の顔から血の気が引いていくのを感じました。

 

黙ったまま固まっているテンショクを見た部長は、テンショクに書類を投げつけるとこう怒鳴りました。

 

「こんな初歩的なミスするなんて何年やってんだお前は!?今すぐ在庫と最短の納期を確認しろ!それが終わったら俺と二人で先方に謝罪だ!」

 

慌てて業者への確認を取るテンショク。
何とか在庫を確保することが出来、業者の好意によって数日中には納品ができることになりました。
その後、急ぎで顛末報告書をまとめ、部長と二人でクライアントの元へと謝罪に向かいました。

 

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クライアントへの謝罪が終わり部長と別れた後、テンショクは社内向けの報告書を書くため一人社に戻りました。


部長には別れ際に「ミスの件は反省しなくちゃいけないが、あまり引きずるなよ。明日また元気に出社してこい」と言われましたが、テンショクは上の空でした。

 

報告書を書き上げ帰路につくテンショク。
家に着く頃には、時刻は12時を回っていました。

 

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途中のコンビニで買ってきたビールをスーツ姿のまま飲みながらテンショクは

 

「こんな仕事好きでやってるんじゃない」

「たいしたミスじゃなかったんなら別にいいじゃないか」

 

などと、愚痴を吐き出していました。

 

2本目のビールを飲み干し缶を握りつぶしたところで時計に目をやると、時刻は既に1時を回っていました。
明日は朝から取引先との打ち合わせがあるので、テンショクは慌てて寝る準備を始めました。

 

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スーツを着替えベッドに潜り込み、目覚ましのアラームをセットしようとスマホに目をやると、メールが何通か届いているのに気づきました。

スマホをタップしメールを確認するとそこには、

 

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「テンショク様へ企業からオファーが届きました」

 

と書いてあったのでした……

 

 

 

【→第2話へつづく】

snufchan.hatenablog.com

 

 

書いた人:snuf

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