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スナフちゃんブログ

おもしろくわかりやすくてきとうなおはなしを心がけています

【にほん転職昔話】テンショクくんとグレー求人と時々エージェント【第2話】

 

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第1話はこちらからどうぞ↓

snufchan.hatenablog.com

 

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【第2話 テンショク オファーの現実を知る】

 

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翌日の朝、テンショクは昨日よりも少しだけ明るい気分で会社へと向かっていました。
何度もスマホの画面を見てはニヤニヤしています。

 

テンショク様へ企業からオファーが届きました

 

テンショクが何度も見返していたのは、昨日届いたメールのタイトルでした。
内容の方はというと、

 

テンショク 様
初めまして。私、シャイン通信で人事担当をしております黒田と申します。
今回、テンショク様のご経歴を拝見し、是非お話を伺ってみたいと思いご連絡致しました。
まずは面談という形を取らせて頂き、フランクな情報交換を通して、お互いの理解を深められればと考えておりますがいかがでしょうか。

ご興味がありましたら、サイトの応募ボタンから当社求人へご応募いただけますと幸いでございます。
ご検討のほど宜しくお願いいたします。

 


という、とても丁寧な内容の文面でした。
突然の企業からのオファーに気を良くしたテンショクは、ニヤニヤが止まりません。

 

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「まさか登録して1日目からオファーが来るなんて、転職サイトってすごいな!この調子で一流企業からのオファーなんかがバンバン来ちゃったりしたら……」

 

自分に都合の良い妄想を浮かべてまたまたニヤつくテンショク。
そうこうしているうちに電車が会社の最寄駅に着いたので、テンショクは電車を降りて会社に向かいました。

 

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オファーの効果はものすごく、会社での仕事も気分良くこなしていくテンショク。

いつもは憂鬱なクライアントとの打ち合わせでも、担当者から「今日はなんかご機嫌ですね」と聞かれるくらいでした。

部長にも、昨日のミスをひきづらないでちゃんと仕事をこなしていることを褒められます。

 

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他の企業から自分が必要とされているというだけで、こんなにも自信が出て、満たされた気持ちになるなんて、オファーってすごい!

 

テンショクは初めてヤバいクスリをキメた人のようなことを言いだしました。

 

順調にその日の分の仕事を片付けていくテンショク。

仕事を終え、定時過ぎの割と早い時間に上がれたテンショクは、大学時代の友人を誘って飲みに行くことにしました。

オファーが来た嬉しい気持ちを、誰かに聞いて欲しかったのです。

 

 

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待ち合わせていた居酒屋に行くと、友人は先について飲み始めていました。

店員さんにオーダーした生中を待っている間、早速昨日の出来事を話し始めました。

 

今の仕事にあまり魅力を感じていないことや、自分にはもっと向いている仕事があるのかもしれないと思ったこと。

そして、何となく登録した転職サイトで、初日にも関わらず企業からオファーが届いたことなどを、ビールをグビグビ飲みながら話すのでした。

 

 

 

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それを聞いていた友人は、ビールを飲む手を止めて、怪訝な顔でテンショクを見ました。

 

登録初日にオファーが来るなんておかしくないか?ちょっとそのサイトを見せてくれ」

 

テンショクは、転職サイトにログインをしたスマホを、友人に渡しました。

友人は受け取ると、操作をしていくつかのページを確認していきます。

 

しばらくして、友人は一通りページを確認した後、テンショクにスマホを返しながら言いました。

 

 

「オファーと言うから、すぐに来て欲しいとかそういう話かと思ったら、ただ『面接に来ませんか?』と聞かれているだけじゃないか」

 

 

それを聞いて テンショクはハッとしました。

スマホを受け取りメールの文面をよくよく読み返してみると、友人の言う通り「経歴に興味があるので話してみたい」と書いてあるだけでした

テンショクは、メールの題名に書いてあった「オファーが来た」と言う内容にばかり意識が行ってしまい、勝手に入社が約束されているような気になっていたのです。

 

 

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テンショクは、自分のマヌケさが恥ずかしくなり、ドヤ顔で友人にオファーを自慢していた5分前の自分をぶん殴りたい気持ちになりました

 

友人は、そんなテンショクに追い打ちをかけます

 

「それと落ち込んでいるところ悪いが、君がオファーをもらったこのシャイン通信って企業、営業ノルマがすごくきつくて、人の入れ替わりが激しいらしいぞ」

 

それを聞いてテンショクは、スマホでシャイン通信の評判を調べてみました。

決してブラック企業などではないようですが、1年間で入社した約7割が辞める競争と会社からの要求が激しい企業だということが、いろいろなサイトに書いてありました。

 

さらに友人は続けます。

 

「シャイン通信は人の入れ替わりが激しいから年中人材募集しているって聞いたな。君が朝から晩までバリバリ営業やって、ガンガン契約取って、ガツガツ昇進したいっていう考えであれば悪くない会社だと思うけど、そうじゃないならもっと慎重に考えたほうがいいんじゃないか」

 

力なくうなづくテンショクでしたが、友人はトドメのように言いました。

 

「もしかしたこの企業、君くらいの年齢のサイト登録者には、誰にでもオファーを出してるのかもしれないし、一件企業から声かけられたくらいで浮かれないほうがいいぞ」

 

 

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友人は明日早くから仕事があるということで、10時前には帰っていきました。

 

テンショクは飲み足りなさを感じていましたが、先ほど友人に指摘された件で、

 

 

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「第2形態のセルをボコボコにした後で、調子こいて完全体にしてしまったところ、逆にボコボコにされたベジータ」のようになっていましたので、おとなしく帰ることにしました。

  

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帰りの電車に揺られながら、テンショクはすっかり自信をなくしていました。

朝の清々しかった気分が嘘のようです

 

しばらく電車に乗っていると、落ち込んでいるテンショクのスマホにLINEの通知が届きました。

それは、先ほどまで飲んでいた友人からのもので、

 

・シャイン通信の件はもし検討するなら慎重に。

・真面目に転職考えてるなら、いくつかの転職サイトに登録してみるといい。

・求人もサイトによって違うみたいだし、合うものを見つけると良いと思う。

 

などといった、的確なアドバイスが書かれていました。 

 

 

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親身なアドバイスに胸が熱くなるテンショク。

友人のアドバイスを参考に、早速スマホで他の転職サイトにも目を通してみました。

いろいろなサイトを見てみると、テンショクはサイトによって特色があることに気づきました。

 

例えば、

 

①いろいろな業界の求人を満遍なく掲載しているサイト

②IT業界など特定の業界に特化した求人情報を掲載しているサイト

SNSのような企業の人事担当者とコミュニケーションが取れるサイト

 

などなどです。

 

テンショクが最初に登録をしたのは、①の様々な業界の求人を掲載しているタイプのサイトでした。

 

テンショクは、現在勤めているのは商社でしたので、もし同じ業界で探すのなら①のタイプだと思いいくつかのサイトに登録しました。

 

それから「IT業界」という、イケてる人たちが集まってそうな響きに惹かれ、②のタイプのIT業界に特化した求人サイトにも登録をしてみることにしました。

 

 

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IT業界で仕事をこなす自分を想像して、ニヤけるテンショク。

ジャケパンスタイルに、スタバでMacBook Airを開き、キャラメルマキアートを片手に、何やら難しそうな画面に文字を入力しているという、ステレオタイプのIT業界人を想像してカッコ良さを感じまくっていました。

 

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テンショクは急いで帰宅すると、ビックカメラのセールで買ったWindowsの15.6インチノートを開き、いくつかの転職サイトに自分の情報を登録しました。

 

自分の出身校や職務経歴、これまでに経験した業務内容や、自身の強みなどを、うんうんと唸りながら考えては入力しを繰り返し、やっと全てのサイトへの入力が完了した頃には、時刻は1時を過ぎていました。

 

 

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情報登録が済んだ後、テンショクは着替え忘れていたスーツから寝巻きに着替え、布団に潜り込みました。

昨日に続き、今日も布団に入るのが遅くなってしまいましたが、IT業界で調子をこいている自分を想像してアドレナリンが出たせいか不思議と疲れは残っていませんでした。

 

 

乗るしかない このビッグウェーブ

 

 

 テンショクは思いつきで呟いた後、若干スベった空気の中で眠りにつきました。

 

 

【→第3話へ続く】

 

 

第1話はこちらからどうぞ↓

snufchan.hatenablog.com

 

 

書いた人:snuf

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