スナフちゃんブログ

おもしろくわかりやすくてきとうなおはなしを心がけています

【にほん転職昔話】テンショクくんとグレー求人と時々エージェント【第3話】

f:id:snufchan:20170512205153p:plain第1話・第2話はこちらからどうぞ↓

snufchan.hatenablog.com

  

snufchan.hatenablog.com

 

+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++

 

【第3話 テンショク 初めての書類選考】

 

 

友人からのアドバイスを受け、複数の転職サイトに登録をしたテンショク。

毎日、いずれかのサイトから新着求人のお知らせがメールで届くようになったため、テンショクは暇を見つけては各テンショクの求人情報を覗くようになりました。 

 

f:id:snufchan:20170514192844p:plain

 

時々、シャイン通信のように企業からオファーが届くこともありましたが、テンショクは以前のように浮かれたりはしませんでした。

前回のことがあってから、求人で気になった企業は、ネットなどで情報集めをするようになっていたからです。

 

そして、情報集めをするようになると、テンショクは一つの事実に気づきました。

それは、サイトから積極的にオファーをして来る企業のほとんどは、人材の大量募集などを行なっているところが大半ということでした。

 

そういう企業は離職率が高いためか、他のサイトでも手当たり次第にオファーを行なっていることがあるようです。

事実テンショクの元にも、サイトは別なのに同じ企業から同じような文面のオファーが届くということがありました。

 

時々、大量募集を行っているわけではない企業からもオファーが届くことがありましたが、そう行った企業もネットで調べた時の会社の評判があまり良くないところが多かったため、そのうちテンショクくんはオファーを無視するようになっていました。

 

f:id:snufchan:20170512205936p:plain

  

ある時、いつものように転職サイトをのぞいていると、とある超有名企業が求人を出しているのを見つけました。

その企業は、テンショクが大学時代に就職活動を行っていた時に落とされた企業で、テンショクの第一志望だった大手企業でした。

 

「これはチャンスかもしれない 」

 

そう思ったテンショクは、試しに書類選考に応募してみることにしました。

1時間程度かけて志望動機を考え、祈るように応募ボタンを押します。

応募後すぐに届いた自動返信のメールを見ると、結果は一週間以内に届くとのことでした。

 

f:id:snufchan:20170525173037p:plain

 

「もし書類選考に通過して、採用されちゃったりなんかしたらどうしよう?」

 

一流企業で働いている自分を想像して、またまた浮かれるテンショク。

その想像力はたくましく、合コンで応募した企業の名前を出して、女子達にちやほやされた際のイメージトレーニングまで行うほどでした。

 

f:id:snufchan:20170525173058p:plain

 

 

大手企業の書類選考に応募した翌日からテンショクは、一日中そわそわしていました。

なぜなら、応募した企業から書類選考の結果は一週間以内とだけ書かれていたので、いつ届くかわからないからです。

 

テンショクはトイレの中や昼食の最中、帰りの電車の中でも、スマホの通知を気にするようになっていました。 

そのうち、仕事中にも少し時間が空くとスマホに目をやるようになってしまい、しまいには「テンショク、仕事中にチラチラスマホ見ているんじゃない!」と部長に注意されてしまうのでした。 

テンショクは反省し、スマホを見るのは休憩中と移動中のみにしました。

 

f:id:snufchan:20170525173116p:plain

 

応募してから丁度一週間後のお昼休み、テンショクのスマホに転職サイトからの通知が届きました。

見てみると、「応募した大手企業からメッセージが届いた」というお知らせでした。

 

早速サイトにアクセスしメッセージボックスから「書類選考の結果について」というタイトルのメッセージに指を置くテンショクくん。

一息ついた後で、祈るようにメッセージをクリックしました。

 

結果は……

 

 

 

 テンショク様

 

お世話になっております。

私、株式会社〇〇の採用担当でございます。

この度は当社の中途採用者募集に応募いただきありがとうございました。

テンショク様からお送りいただいた書類を確認し、慎重に選考いたしました結果、

今回は貴意に添いかねる結果となりました。

ご応募に感謝すると共に、テンショク様の今後一層のご活躍をお祈りしております。

 

株式会社 〇〇 採用担当

 

 

 

お祈りメールでした。

 

 

テンショクくんはめちゃくちゃに凹みました。

 

f:id:snufchan:20170525163322j:plain

ジョジョ5部の最初の方に出てきた「涙目のルカ」 くらい凹みました。

 

もしもこの採用担当とやらに会えるのであれば、こんなメールひとつで人を落とすことに対する恨み言の一つも言いたい気持ちでした。

 

「この悲しい気持ちを誰かに聞いてもらいたい……」

 

そう思ったテンショクは、早速LINEで友人に連絡を取りました。

嫌なことがあったので飲みに付き合ってほしい」とメッセージを送ると、友人は二つ返事でOKをしてくれました。

 

 

テンショクは仕事が終わるとすぐに、待ち合わせ場所の居酒屋へと向かいました。

どうやら今日は、テンショクの方が先に店に着いたようです。

テンショクがビールを頼んで間も無く、友人も店に到着しました。

 

f:id:snufchan:20170514183252p:plain

「どうしたんだい?今日もまた随分と落ち込んでいるようだけど」

 

友人は席についてビールを頼みながら言いました。

テンショクはその言葉を待っていたと言わんばかりに、今日届いた不採用メールの話をします。

 

・登録した転職サイトに学生時代に憧れていた大手の求人が掲載されていた

・その大手に応募したが、書類選考であっけなく落とされた

・「書類なんかで僕の何がわかるんだ」と思った

 

 

などをビールを飲みながらグチグチと話すテンショク。

 

f:id:snufchan:20170512210208p:plain

 

友人はそんなテンショクの愚痴にも嫌な顔一つせず聞き入っています。

テンショクが一通り愚痴を吐き出した後、友人はゆっくりと口を開きました。

 

「そうか、今回は残念だったな。でも転職サイトに掲載されている大手の求人なんて、書類選考だけでも倍率が数十倍から下手したら数百倍だそうだぞ」

 

f:id:snufchan:20170525174327p:plain

それを聞いたテンショクくんは目を丸くしました。

大手なので倍率は多少高いと思いましたが、そこまでとは考えていなかったのです。

 

「それに、大手の中途採用ってことはそれなりに実績や実力のある人を期待しているわけだから、新卒3年目くらいだと余程大きな成果でも無いと中々アピールには繋がらないしな」

 

f:id:snufchan:20170525174307p:plain

テンショクはハッとしました。

確かに、テンショクは今の会社で働いた3年で、大きな案件を一人で受注したことなどはありませんでしたし、同期の中でも飛び抜けた成果を上げていたわけでもありません。

そんな人材を大手企業、しかも即戦力として期待している中途採用の場で採用するわけがありません。

テンショクくんは、初めて自分の市場価値に気づいたのでした。

 

「そう言うわけだから、1つ落ちたくらいで落ち込むな。今回はいい勉強になったと思って、また別の求人を見てみなよ」

 

友人はそういってテーブルの上の唐揚げ口に入れ、ビールで流し込みました。

 

 

 

f:id:snufchan:20170514201602p:plain

友人との飲みが終わって、一人帰路につくテンショク。

電車に揺られながら、就職活動をしていた大学生の頃を思い出していました。

 

 

f:id:snufchan:20170525174800p:plain

毎日のように色々な企業の説明会に行き、OBへの訪問をして、エントリーシートを書いて、とにかく周りに置いて行かれないように就職活動に打ち込んでいたあの頃。

 

f:id:snufchan:20170525174816p:plain

何度も書類で落とされ、書類が通って面接に進めたとしても、面接官にとんちのような質問をされ答えに詰まったり、時には圧迫面接のようなこともされた。

 

f:id:snufchan:20170525180131p:plain

 

友人が内定をもらう度に焦り、企業からお祈りメールを貰う度に自分の人生や考え方の全てが否定されたような気になった。

 

f:id:snufchan:20170525174858p:plain

就活終盤には自分を否定されるのが嫌で、心をすり減らすのが嫌で、就活なんてしたくないと考えたり、自分の部屋で一人泣いたりもした。

 

f:id:snufchan:20170525174916p:plain

だから、今の会社から内定をもらった時には、嬉しくて嬉しくて、自分が何をしたいかとか、この会社に入って何がしたいかなんて、よく考えずに決めてしまった……

 

 

テンショクはそんなことを考えていました。

 

「なんで今更こんなことを思い出したんだろう」

 

テンショクは電車に揺られ、真っ暗な窓の外を眺めながら一人つぶやきました。

同時に、胸のあたりと胃のあたりがチクチクと痛むのを感じていました。

 

f:id:snufchan:20170525174940p:plain

自宅に着いたテンショク。

気分が落ち込んでいる時にお酒を飲んだせいか、強い眠気に襲われたため、さっさと寝巻きに着替えて眠ることにしました。

 

f:id:snufchan:20170525175209p:plain

 

布団に入り、いつものようにスマホで朝のアラームをセットしていると、テンショクは通知が来ていることに気づきました。

 

それは、テンショクが以前登録したIT系企業に特化した転職サイトからのものでした。

毎日どこかしらのサイトから通知は来ていましたが、このサイトから通知が来たのは初めてのことです。

 

テンショクが少しばりドキドキしながらメールを開いてみると、そこには、

 

「テンショク様に企業から「会いたい」メッセージが届いています」

 

と書いてあったのでした。

 

 

 

【→第4話に続く】

 

 

第1話・第2話はこちらからどうぞ↓

snufchan.hatenablog.com

  

snufchan.hatenablog.com

 

 

 

書いた人:スナフ

f:id:snufchan:20161231235405j:plain